この記事は2025年5月22日に発売された大人気美術漫画『ブルーピリオド第17巻』のネタバレ注意な感想です。
第16巻では2年生の最後の課題である「2人展」のためにホストの世界に飛び込む八虎の姿が描かれましたけれども、その課題を終えたブルーピリオド第17巻では懐かしの美術部部員と再会からのグループ展開催決定など、作家という進路を強く意識する展開となっています。
ブルーピリオド17巻のあらすじ
高2で絵を描くことの楽しさに目覚め、猛烈な努力の末に東京藝大に合格した矢口八虎。
2年の夏休みが終わり、2年最後の講評。
八虎が選んだ新しい課題は「2人展」。
無名・有名を問わず表現者を選び2人での展示を考える課題である。
八虎が選んだのはフランシス・ベーコンとアンディ・ウォーホル。
2人の作品を考察する八虎は自分の欠点にも気づく。
金策にも悩んでいた八虎は、課題のヒントをつかむため八虎は歌舞伎町に飛び込むが……。
アートの歴史や可能性を詳細に活写、美大に進学した青年たちの情熱や奮闘を描く、今までになかった美術系青春漫画、早くも最新刊登場!!

【ネタバレ注意】ブルーピリオド17巻を読んだ感想
ブルーピリオド17巻は何話まで?
ブルーピリオド17巻は『71筆目:歌舞伎町育成日記完』から『75筆目:あの人とはパラレル』までが描かれています。
2人展を経て作家という進路を強く意識する八虎
ついこの間、ブルーピリオド16巻を読んだ気がしますけど、もう半年が経過している時間の流れが恐ろしい……って漫画を読んでいると自分が歳を重ねているのを痛感しますよね。
そんな話はさておき、ブルーピリオド第17巻は八虎が思っていたよりも2人展の作品への反応がよくて、作家への進路を強く意識する八虎が描かれています。
絵を始めたのが遅かったがゆえの経験値や自己評価の低さ。
周囲に褒められても素直に受け取れない八虎の悪癖。
それでも今回のは八虎にとって大きな収穫になったようです。
絵で生きていくと即決できるほどの才能ではない。
でも逆に言えば、絵以外でも生きていけるということ。
何を選ぶのが正解なのか迷っていた八虎が『正解よりも自分が納得できる不正解を選ばせてほしい』と、母親に作家を目指したいと決意表明した描写には感慨深い気持ちになりました。
懐かしの美術部員と再会からのグループ展開催の話
72筆目『お・か・ゆの精神』からは、コミケに参加する元美術部員たちの売り子に龍二の代打で参加することになった八虎が描かれます。
そこでは海野がフォロワー数20万overの超人気イラストレーター“鵜呑”として活動していると明かされており、作家を目指す気持ちに揺らいでいる八虎に強い刺激が加わりました。
まだ、練習段階の八虎とは違って、海野と白井は自分で作品を売っているプロである。
その事実を認識した八虎は『1点でも作品を売る』と、スタートラインが明確になって、努力の方向性が定まったようで、その表情は課題に挑む前の八虎って感じでめちゃくちゃ格好よかったです。
73筆目『再会は何かの始まり』ではコミケも無事終了!ハイっ解散!ってわけもなく、話の流れで美術部同窓会を開く感じに……。
そこではコミケに参加できなかった龍二や佐伯先生はもちろん、森先輩も遅れて登場!
飲み会自体はなんのことはなく終わったんですけど、その帰り道で八虎は森先輩に作家を目指す意向を伝えたんですけど、そこでグループ展の話へと繋がっていくんです。
ちなみにブルーピリオド17巻を読み終わった後に、ここの森先輩の表情をみると、このとき何を思ってんのかなって想像の余地があって、なかなかクるものがありますよ。
美術部グループ展のテーマは「あなたへ」
出発地点が一緒だった美術部員も今は、服飾二人に、イラスト二人に、絵画が二人とやっていることがバラバラでどうするか……ってところで森先輩の鶴の一声で「あなたへ」展に決定。
いや、めっちゃ怖いんですけど!!!
こんなん、八虎に向けたメッセージというか、アンサーというか、それ以外無いじゃないですか!?
ここまでポジティブな展開が続いていただけに、これがネガティブ要素だったら嫌すぎる。
いや、最後まで読んだ時点でどう考えても八虎が落ち込むのは確定しているんだけど、まさか佐伯先生がいう大人の発想を森先輩から聞かされるとは思ってもいませんでした。
例えが悪いんですけど、ヒロインが悪堕ちした気分です。
そういえば、八虎を絵画の世界に引きずり込んだ森先輩のことって、何も知らないんですよね。
どういう想いで絵を描いていたのか、森先輩の人物像についてようやく明かされるときが来たってことで怖い8割、楽しみ2割の気持ちで次の巻を待ちたいと思います。
【最新刊】ブルーピリオド18巻の発売日
- Qブルーピリオド18巻の発売日はいつですか?
- A
発売間隔から予想すると、2025年11月以降になると思います。