この記事ではマンガ大賞2020で第1位に輝き、2021年10月よりアニメ化もされた大人気美術漫画『ブルーピリオド15巻』のネタバレ注意な見どころを紹介します。
14巻では八雲の生い立ちや、鉢呂やモモとどのようにして出会ったのか原点となるエピソードが展開されました。
その続きとなるブルーピリオド15巻では、真田まち子の展示をめぐって現実的な大人の視点と友達としての感情がぶつかり合う、広島編クライマックスとなっています。
ブルーピリオド15巻のあらすじ
友人の八雲と鉢呂、桃代と広島で作品の制作に集中することにした八虎。
そこで八虎は3人の人生を変えた同年代の若き表現者を知る。
藝大2年の夏休み、大学から遠く離れた地で、八虎とアートの関わりが大きく変わる。
熱き青春群像広島編クライマックス!!
- 62筆目 夏休み⑧
- 63筆目 夏休み⑨
- 64筆目 夏休み⑩
- 65筆目 夏休み⑪
【ネタバレ注意】ブルーピリオド15巻を読んだ感想

しんどい話からしか得られない気づきを実感した広島編
ブルーピリオドってずっと読むのがしんどいよね。
今までは八虎の挫折と成長っていう必要不可欠なものでしたけど、広島編に関しては八雲たちの友人が亡くなっていた過去という別種のしんどさがありました。
あぁ、もうこの人亡くなっているんだ……。
って思いながら読むのは何とも言えない感情になります。
でも、現実世界でも毎日、どこかで誰かがなんの前触れもなく亡くなって、残された家族や友人たちがいて、それは明日の自分かもしれないんですよね。
定期的に気づかされるというか、考えさせられるといいますか、優しい世界の漫画は好きだけど、ときには超現実的でキツい漫画を読むのも大切だよなと実感しました。
話を最後まで聞くと蟹江ギャラリーの印象が変わる
さて、ブルーピリオド15巻は広島編クライマックスということで、真田の死因とか蟹江ギャラリーとのいざこざとかその他もろもろが全て描かれます。
ずーっと気になっていた真田の死因。
誰かに殺されたというのはミスリードだったようです。
不運な事故、ただそれを八雲は受け入れられなかった。
よくないけど、よかった。
まったくよくないけど、誰かの恨みや嫉妬で他殺みたいな真相じゃないだけよかった。
鉢呂も大切な人が死ぬのは日常がひとつ消えることって言ってますけど、受け入れるのはなかなか難しいですよ。
でも、やっぱり最後まで人の話は聞かないとダメですね。
感情的な口調で話されると、そうなんだって受け入れちゃうんですけど、一見被害者側が不都合な情報を隠している場合ありますし……。
蟹江ギャラリーの一件もそうで、口も態度もアレだから悪いやつにみえていましたけど、彼の言い分を聞くと筋は通っているし、また印象が変わりました。
「君たちただのオトモダチだもんねぇ」
ブルーピリオド15巻より引用
「絵なんか10年したらほとんど二束三文だよ、ばか」
あまりにも煽り性能が高い一言ですけど、これもまた事実。
真田の遺品をどうするのか決定する権利は彼女の家族にあって、八雲たちが踏み入れる領域の話ではありません。
蟹江ギャラリーが言葉巧みに真田の絵をビジネスに利用しようとしている見方もできるでしょう。
でも、死後に作品の価値が上がることなんてほんの一握り。
美術的価値が決定するまでの50年間、作品の価値を最大限維持して大事にしてくれる人に届けるのが、ギャラリーの役割だという話を聞いて、八雲と同じく言葉が出ませんでした。
ぐうの音も出ないとはまさにこのこと。
最初と最後で印象が変わる強烈なパンチをくらいました。
全作家の気持ちを代弁する八雲の感情任せの言葉も良い
たしかに八雲の言動は子供だったかもしれません。
それでも、全作家の言葉を代弁する彼の言葉は凄く胸に響くものがありました。
生きてるときに買ってやれよはその通りすぎますよね。
こういうエピソードに出てくるモブキャラみたいになっていないか、自分の言動を見つめ直すきっかけになります。
浅いこと言うくらいだったら、黙っておいたほうがいい。
SNSの使い方にも通ずることですよね。
本来の目的だったAOJで八雲は大賞、八虎は入賞。
作家として第一歩を踏み出した八虎のさらなる飛躍に期待!
しんどい話が続いたのでそろそろ優しい展開がほしいところ。
あわよくば森先輩来い!と念じながら続きを待ちたいと思います。
ブルーピリオド16巻の発売日
- Qブルーピリオド16巻の発売日はいつですか?
- A
2024年11月21日に発売されました。
