子供の頃から十何年、一緒に成長してきた実家の犬が亡くなったときは人生で一番泣きましたし、その経験をしているから、また飼いたいって気持ちにはなかなかならないんですよね。
動物は好きなので、いつかは……とは思うんですけど、それだけ死は残された者に影響を与えるってこと。
さて、今回紹介するあやかしの葬儀屋は、あやかし殺しの罪人があやかしを弔って穢れを祓う、異形の死を見つめる追悼ファンタジー漫画。
あやかしという異形の存在や生命を題材にしているのでホラーテイスト&ファンタジー感もありながら、重厚で物悲しくも儚い物語になっていて、読み応えのある漫画でした。
あやかしの葬儀屋のあらすじ
【ネタバレ注意】あやかしの葬儀屋を読んだ感想と内容紹介
作者・あおたゆきこが描いた漫画
罪人が償いとして命の重さに直面する対極的な構図が魅力
今日のこれ読んで寝ろ漫画紹介はあやかしの葬儀屋!
初めて読んだときに率直に思ったことを申し上げると、結界師の雰囲気に似ている漫画キタコレって感じでした。
自分が子供の頃に少ないお小遣いで、初めて全巻揃えた漫画が結界師。
漫画にハマったきっかけにして、殿堂入りレベルで好きな作品。
そんな結界師と同じ雰囲気を味わえる漫画に出会いました!
いや、別にストーリーが似ているって話ではありませんよ。
あやかしを題材にしている物語という共通点や、絵柄とか話の運び方の細かいニュアンスに結界師っぽさを感じるというだけであって、内容はちゃんと似て非なるものですよ。
まぁ、マンガ家さんたちは~に似ているって表現は嫌いだと思うんですけど、読者側の我々にとってはどんな漫画なのか一発でわかる大切な情報なんで、思った以上はちゃんと書きます。
そんな話は置いといて、あやかしの葬儀屋の何が魅力かって、罪人が弔う構図なんですよ。
あやかしの死に穢れあり。
あやかしの死後に残ってしまう穢れは、土地を蝕み、ときに化物を生んでしまうため、それを祓う必要がある。
あやかしの弔いは、穢れを生まないための儀式である。
そして穢れを祓えるのは、穢れを受けた罪人のみ。
ということで、本作の女性主人公・八重波はとても重い過去を持つ罪人なわけですけども、キャラクターにマイナスな印象を与えるこの設定がスパイスになっていて、引き締まった物語になっています。
ジャンル的にはダークファンタジーとかになるのかな?
でも他の漫画みたいにバチバチしているわけでもなく、どっちかっていうとしっとりとした物語になっています。
死に触れるストーリーなので、当然といえば当然ですけど、読んでいる感覚はフリーレンに似ています。
なんていうか、死を弔う高潔な振る舞いと罪人って対極的な存在ですよね。
八重波が罪人になった経緯にはのっぴきならない事情があるとしても、他の同業者にはそれなりにヤバイやつがいて、それがまたピリッとした緊張感を生んでいます。
想像以上にマンガが上手くて驚かされた漫画
正直に言いますと、自分はあやかしの葬儀屋を積読していました。
基本的に表紙買いする自分が、好みの表紙じゃないこの漫画のどこに惹かれたのか覚えていないくらいの期間忘れていたんですけど、2巻の発売日直前で思い出して読んだんですよね。
そうしたら、思っていた以上に良くて驚きましたよ。
今だったらたぶんスルーしてしまっていたので、過去の自分に感謝。
自分はキャラクターの上半身バンッ!!みたいな構図があんまり好きじゃないだけで、あおたゆきこ先生の絵柄自体は世界観にめちゃくちゃマッチしていて素敵だったのも、意表を突かれたポイントでした。
あやかしと人間は過去に色々あったけど、今は良好な関係性。
あやかしに害をなしたヤツに、あやかしの死後の尻拭いをさせる。
人間にもあやかしにも、どうしようもないやつはいる。
八重波は罪人だけど、可哀想な理由があるよ。
世界観と主人公に関する説明を1巻でまとめて、2巻以降に描かれる話を読者に想像させる構想力みたいなものがマジで上手いなって感嘆しました。
ダークでしっとりとした世界観の漫画が好きなあなたにはもちろん、和風ファンタジーを探しているあなたにも超おすすめなので、興味があるならぜひ読んでみてください!
【最新刊】あやかしの葬儀屋2巻の発売日
- Qあやかしの葬儀屋2巻の発売日はいつですか?
- A
2024年9月11日発売予定です。
【無料】あやかしの葬儀屋を試し読みする方法
あやかしの葬儀屋は小学館が運営しているサンデーうぇぶりで第3話まで無料で読めますよ!
最後にこれを読んだことがあるなら相性がいいよ!って漫画をいくつか紹介したいと思います。