この記事では2021年10月にアニメ化された大人気美術漫画『ブルーピリオド13巻』のネタバレ注意な見どころを紹介します。
12巻では芸術家集団ノーマークスのリーダー・不二桐緒との出会いが八虎に強烈な刺激を与えました。
その続きとなるブルーピリオド13巻では、反権威主義や宗教と揶揄されるノーマークスで八虎は何を得たのか、罪悪感をテーマにした制作課題に取り組む様子が描かれます。
ブルーピリオド13巻のあらすじ
【ネタバレ注意】ブルーピリオド13巻を読んだ感想
ノーマークスの拠点解体が八虎を美大に留まらせる
美術に向き合う気力を失いかけていた八虎に、新しい風を吹き込んだのは、反権威主義や宗教と揶揄されるアート集団・ノーマークスの代表である不二桐緒だった。
しかし、そんな彼女のもとから離れていく久山さんたちの話を聞いて、八虎はまた揺らぐ。
美術に限らず、売り物には評価がつけられる。
その宿命からは逃れられない。
技術で評価をつける者もいれば、好みで評価をつける者もいる。
そのほとんどは熟練者の採点ではなく、素人の気まぐれによるものだ。
いや、もしかしたらその道のプロですら、正しい評価はつけれていないのかもしれない。
久山さんは鷹田さんに、自身の作品を「美大くせえ」と一蹴されたことに腹を立てて、ノーマークスを去ることを決めた。
その後の人間関係を考えない鷹田さんの言動はどうかと思うけど、日本のアートは終わってると吐き捨てて海外留学する久山さんに、優しい言葉はただの毒にしかならないとも感じました。
承認欲求に飢えている状態は本当に危険。
酷評に対してうるせぇ!黙れ!
って思えるメンタルはあって損はない。
八虎は美大卒業するまで似たような状況で苦しみそう。
このままだと美大を辞めそうな雰囲気を醸し出していましたが、ノーマークスの資金繰りが難しく、現在の拠点を解体するという現実が、八虎を美大に押し止めます。
罪悪感をテーマにした制作課題。
八虎は周囲の協力を得て、小さな穴を除くと自分の目が映し出されるという作品をつくります。
ノーマークスが正しくない場所だとしたら、そこで得たものは正しくないのかという自問自答。
これがなんと万人に等しく厳しい犬飼教授から高評価を得るわけですが、あまり嬉しくなさそうな八虎の表情が印象的でした。
作品の評価と正しさについて考えさせられる
自分は購読する漫画を厳選するので、あんまりハズレに遭遇する確率は高くないんですけど、なんも味がしない漫画だなって思う瞬間はあります。
もちろん、それも一種の感想。
読者に与えられた権利なので、酷評するのも自由。
しかし、つまらないを連発する人は、裏を返せば魅力に気づけない、引き出しが少ないつまらない人間であるとも考えられます。
面白さを追求するプロであるお笑い芸人の中でも、テレビに出続けている人たちって、捻くれていないというか、他人のネタでもよく笑いますよね。
犬飼教授は自分にも厳しく、また評価する仕事をしているわけです。
生半可な優しさで、芸術の道に人生を捧げるべきではないことも理解していることでしょう。
そんな彼の真似事を素人がするのは得策ではありません。
現に、彼の高評価は八虎に響いていません。
個人の感想の範疇ならともかく、他者への影響を及ぼす評論をしたいなら、言葉遣いだけでなくて絶賛と酷評の頻度まで気にする必要がある。
人気者と毒舌はある種、セットになっていると感じる瞬間は多いけど、それは程度によりますし、なにかあったときに揚げ足を取られかねません。
なんでも絶賛する人間の言葉が参考にならないように、ネガティブな発言が多い人間に称賛された作品が優れているかといえば、全然そうじゃない。
評価なんて、ただの主観でしかない。
自分の発言も、他人の発言も。
そこにみんなが求める正しさは存在しないと認識しておくと、他人の評価に惑わされなくなります。
八雲やモモのルーツに触れる広島旅行
そして、ブルーピリオド13巻の後半からは八雲・モモ・鉢呂の仲良し三人組のルーツをめぐる、桃ちゃんの実家・広島で作品制作に取り組む小旅行が描かれます。
彼らに影響を与えた、仲良しだった天才。
衝撃的な話を予感させる描写が恐怖心を煽ります。
八雲たちの過去が今現在にどのような影響を与えているのか。
次の展開をドキドキしながら待ちましょう。
ブルーピリオド14巻の発売日
- Qブルーピリオド14巻はいつ頃発売ですか?
- A
2023年7月21日発売です。