この記事では次にくるマンガ大賞2022にもノミネートされたSF漫画『フールナイト4巻』のネタバレ注意な見どころを紹介します。
3巻ではアイヴィーが凶行を繰り返す理由やその正体が描かれました。
その続きとなるフールナイト4巻では、アイヴィーが話したパレードの正体を知るために、クソな現実のさらに底にある絶望の世界である貧困街での話が展開されます。
フールナイト4巻のあらすじ
光の差さない絶望の世界で人々は、人間を植物に変える転花という技術に希望を抱いていた。
転花の手術を受けた者は、完全な植物である霊花となるまでの遺された2年間を人として生きる。
そんな世界で貧困に喘ぐトーシローもまた、霊花になることを選ぶ。
霊花になるまでの時間を豊かに生きようともがくトーシロー。
そんなトーシローの前に、完全に霊花となっても動き回るアイヴィーが現れたことで、トーシローの環境は一変する……。
【ネタバレ注意】フールナイト4巻を読んだ感想
いやぁ、キツイ。
読むのがしんどくなるほど重い。
こういうのあんまり得意じゃないから、読後のダメージがエグすぎる。
でも、人類が絶滅の危機を迎えても、手を取り合うどころか足を引っ張り合う、綺麗事なしのリアリティのある描写は惹きこまれるから読み続けるんですけどね。
さて、フールナイト4巻では貧困街での話が展開されます。
アイヴィーの恨みの根底にあったパレードの正体。
それは、霊花を都市部に送るための人身御供。
そして、人造家具ビジネスという闇が描かれました。
貧困街に落ちた人間がどういう仕事をして生きていくのか?
都市部に戻るためには何をするのか?
そのすべてが、あり得ない話と切り捨てられないから胸糞悪い。
人類がもしも同じ状況に陥ったら、本当にこうなりそうっていう解像度の高さに脱帽しました。
フールナイト4巻の冒頭で、トーシローはアイヴィーの件について、警察から罪の話をされるわけですが、終わり良ければ全て良しならルールを守る人間はいなくなるってド正論パンチをくらいます。
どんな状況でもメンツを気にして、感情で行動し、対立関係に発展する人間の愚かさ。
落ち込む権利があるのか?
という短い言葉も切れ味鋭い。
転花を巡る悪行が、酸素供給することで人類の役に立っているのは間違いないし、一職員として仕事をしているだけのヨミコにはどうすることもできません。
後悔も反省も無意味だと見透かされた言葉の重み。
思考停止したかのような、ヨミコの表情は印象的でした。
負のループから抜け出すには、転花以外で酸素供給する方法を考えるしかないのに、そこに私利私欲にまみれた政治が関わってくると、ねぇ……。
【最新刊】フールナイト5巻の発売日
- Qフールナイト5巻はいつ頃発売ですか?
- A
2022年11月30日発売予定です。